87.53 グラフ位置の調整 (offsets)

オフセットは、自動縮尺されたグラフの中のデータの周りに空の境界を置く仕 組みを提供します。オフセットは、x1,y1 軸と 2 次元の plot コマンドの みで意味を持ちます。

書式:

     set offsets <left>, <right>, <top>, <bottom>
     unset offsets
     show offsets

各オフセットは定数、または数式が使え、それらのデフォルトの値は 0 です。 デフォルトでは、左右のオフセットは x1 軸と同じ単位で指定し、上下のオフ セットは y1 軸と同じ単位で指定しますが、キーワード "graph" を用いるこ とで軸の全範囲に対する割合としてオフセットを指定することもできます。正 のオフセットの値は、軸の範囲を指定された方向へ伸ばします。例えば正の下 方向のオフセットは y の最小値をより小さな値にします。許されている範囲 での負のオフセットは、自動縮尺、あるいはクリッピングとの思いもよらぬ結 果を生む可能性があります。自動縮尺機能から軸の範囲の調節を守りたい場合 は、"set auto fix" も指定するといいでしょう。

例:

     set auto fix
     set offsets graph 0.05, 0, 2, 2
     plot sin(x)

この sin(x) のグラフの y の範囲は [-3:3] になります。それは、関数の y の範囲は [-1:1] に自動縮尺されますが、垂直方向のオフセットがそれぞ れ 2 であるためです。x の範囲は [-11:10] になりますが、これはデフォ ルトが [-10:10] でその全範囲が左に 0.05 の割合だけ伸ばされるためです。

竹野茂治@新潟工科大学
2015年1月5日