23.1 引用符 (Quotes)

gnuplot は、文字列を区切るのに、二重引用符 (ASCII コード 34 番)、単一 引用符 (ASCII コード 39 番)、およびバッククォート (ASCII コード 96 番) の 3 種類の引用符を使います。

ファイル名は単一引用符、あるいは二重引用符内で囲みます。このマニュアル では一般にコマンドの例示では、わかりやすくするためにファイル名は単一引 用符でくくり、他の文字列は二重引用符でくくります。

見出し (label)、タイトル (title)、またはその他の描画要素で使用される文 字列定数や複数行文字列は単一引用符、あるいは二重引用符内で囲みます。引 用符で囲まれた文字列のさらなる処理の結果は、どの引用符記号を選ぶかによ って変わります。

\ n (改行) や \ 345 (8 進表記の文字コード) のようなバックスラッシュ ( \ ) による特殊文字表現は、2 重引用符内の文字列では効力を持ちます。単一引用 符内では、バックスラッシュ自体が通常の文字と見なされます。単一引用符 内の文字列で単一引用符自体 (ASCII コード 39 番) を使うには、それを重ね て書く必要があります。つまり、文字列 "d \ " s' b \ \ " と、'd" s'' b \ ' は完 全に同じものとなります。

1 つの複数行文字列に関する位置合わせは各行に同等に働きます。よって、中 央に位置合わせされた文字列

     "This is the first line of text.\nThis is the second line."

は次のように表示されます:
                      This is the first line of text.
                         This is the second line.

しかし
     'This is the first line of text.\nThis is the second line.'

だと次のようになります。
         This is the first line of text.\nThis is the second line.

拡張文字列処理 (enhanced text processing) は二重引用符に対しても単一引 用符に対しても機能します。しかし、そのモードをサポートしている出力形式 でのみ働きます。以下参照: enhanced text (12)

バッククォート (``) はコマンドライン中の置換のためにシステムコマンド を囲むのに使います。以下参照: substitution (22)

竹野茂治@新潟工科大学
2013年10月16日