83.41 Lua

この lua 出力ドライバは、対象先指定描画ファイルを作成するための、外 部 Lua スクリプトとの組み合わせで機能します。現在サポートしている対象 は、TikZ -> pdflatex のみです。

Lua に関する情報は、http://www.lua.org で参照できます。

書式:

  set terminal lua <target name> | "<file name>"
                      {<script_args> ...}
                      {help}

スクリプト用に 'target name'、または引用符付きの 'file name' が必須で す。スクリプトの 'target name' を与えた場合は、この出力形式は、 "gnuplot-< target name> .lua" をまずローカルディレクトリで探し、それに 失敗すると環境変数 GNUPLOT_LUA_DIR を探します。

その他のすべての引数は、選択したスクリプトに評価させるように与えられま す。例えば、'set term lua tikz help' は、スクリプトそれ自身に、スクリ プト用のオプションと選択に関する追加のヘルプを表示させます。

TikZ ドライバは、以下の追加オプションを提供しています:

書式:

   set terminal lua tikz


    {help}
    {monochrome}
    {solid}
    {originreset}
    {gparrows}
    {gppoints}
    {nopicenvironment}
    {size <x>{unit},<y>{unit}}
    {scale <x>,<y>}
    {plotsize <x>{unit},<y>{unit}}
    {charsize <x>{unit},<y>{unit}}
    {font "<fontdesc>"}
    {createstyle}
    {fulldoc|standalone}
    {{preamble|header} "<preamble_string>"}
    {tikzplot <ltn>,...}
    {tikzarrows}
    {cmykimages}
    {nobitmap}
    {providevars <var name>,...}

引数として長さを必要とするオプションについては、単位が指定されていなけ ればそのデフォルトは 'cm' となります。すべての長さには、以下の単位を使用できます: 'cm', 'mm', 'in' または 'inch', 'pt', 'pc', 'bp', 'dd','cc' (訳注: in はインチ (1in=2.54cm), pt はポイント (72.27pt=1in), pc はパイカ (1pc=12pt), bp はビッグポイント (72bp=1in), dd は Didot ポイ ント (26.6dd=1cm), cc は Cicero (1cc=12dd))。数値と単位の間に空白を入 れてはいけません。

'monochrome' は、線の色付けを無効にし、塗り潰しを灰色階調に切り替えま す。

'solid' は、実線のみを使用します。

'originreset' は、TikZ 画の原点を、描画の左下角へ移動します。これはい くつかの描画を一つの tikzpicture 環境内に整列するのに使用できます。こ れは、multiplot、pm3d 描画では十分にはテストされていません。

'gparrows' は、TikZ が提供する矢 (arrow) の代わりに、gnuplot 内部の矢 (arrow) の描画関数を使用します。

'gppoints' は、TikZ が提供する描画記号の代わりに、gnuplot 内部の記号描 画関数を使用します。

'nopicenvironment' は、'tikzpicture' 環境の宣言を手動で行うようにする ためにそれを省略します。これにより、描画の前後に、ある PGF/TikZ コード を直接入れることができます。

オプション 'size' は、キャンバスサイズの 2 つの長さ < x> , < y> を必要と します。デフォルトのキャンバスサイズは 12.5cm x 8.75cm です。

オプション 'scale' は、オプション 'size' と同等の機能ですが、この < x> , < y> は長さではなく、拡大率になります。

オプション 'plotsize' は、キャンバスサイズの代わりに描画領域のサイズの 設定を行いますが、それが通常の gnuplot の挙動です。このオプションを使 用すると、わずかに非対称な刻み幅を作るかもしれません。'originreset' の ように、このオプションを multiplot や pm3d 描画で使用すると、不都合な 結果を招く恐れがあります。

オプション 'charsize' は、使用するフォントの水平サイズと垂直サイズの平 均値を必要とします。あなたの TeX 文書内でこれをどのように使用するかに ついては、サンプルとして生成されるスタイルファイルを見てください。

'createstyle' は、そのスクリプトから LaTeX スタイルファイルを導き出し、 それを 'gnuplot-lua-tikz.sty' というファイルに書き出します。

'fulldoc' または 'standalone' は、そのままコンパイルできるような完全な LaTeX 文書を生成します。

'preamble' または 'header' は、standalone モードのドキュメントのプリア ンブルに追加 LaTeX コードを出力するのに使います。

オプション 'tikzplot' では、コマンド ' \ path' の代わりに ' \ path plot' を使用します。それに続く線種 (linetype) の数値のリスト (< ltn> ,...) は それに影響される描画線を定義します。すべての線種に対し、一つの描画スタ イルが存在します。1 以上のすべての線種に対して、デフォルトの描画スタイルは 'smooth' です。

オプション 'tikzarrows' を使用すると、ユーザの定義した gnuplot の矢 (arrow) のスタイルを TikZ の矢のスタイルに割り当てます。これは、矢の定 義の角の値を '誤って使用する' ことでなされています。例えば、角 '7' に よる矢のスタイルは TikZ スタイル 'gp arrow 7' に割り当てられ、他に与え られた値はすべて無視されます。デフォルトでは、TikZ 出力形式はすべての 矢に対してステルス形の矢先を使用します。デフォルトの gnuplot のように するには、オプション 'gparrows' を使用してください。

'cmykimages' では、画像データに対して RGB カラーモデルの代わりに CMYK モデルを使用しますが、他のすべての色 (線の色など) は、それらが xcolors パッケージで処理されるので、このオプションの影響を受けません。よって、 必要ならばそのカラーモデルも変更することを考えてください。

オプション 'nobitmap' は、ネイティブの PS, PDF 画像形式の代わりに、画 像を塗り潰された長方形としてレンダリングします。このオプションは、あな たが他の出力形式を使用したい場合に有効としなければいけません。

オプション 'providevars' は、gnuplot の内部変数、ユーザ変数を、TeX ス クリプト内でもコマンド ' \ gpgetvar{< var name> }' を使用することで利用可 能にさせます。利用できる変数の一覧を見るには、'show variables all' コ マンドを使用してください。

文字列 < fontdesc> には、例えば ' \ small' のような LaTeX で有効なフォン トコマンドを入れることもでき、それは、"font=< fontdesc> " の形式のノー ドパラメータとして直接渡されます。これは、あるノードにコードを追加する のに「わざと間違えて」使えます。例えば ' \ small,yshift=1ex' も有効です が、',yshift=1ex' も有効で、こちらは現在のフォント設定を変更しません。 しかしリストの第 2 引数は例外です。それが < 数値> {単位} の形式の数値の 場合、それは他の出力形式でそうであるようにフォントサイズと解釈され、第 1 引数に追加されてしまいます。単位が省略された値は 'pt' 単位と解釈され ます。例えば、' \ sffamily,12,fill=red' は、背景色が赤で 12pt の LaTeX sans serif フォントを設定します。

文字列は単一、あるいは二重引用符内に入れる必要があります。二重引用符で くくられた文字列には、改行の ' \ n' などの特別な文字を入れることができ ます。

竹野茂治@新潟工科大学
2011年3月7日