43.50 Palette

パレットは、pm3d で、カラー等高線や多角形、カラーヒストグラム、色勾 配の背景、その他実装されている、あるいは実装されるものの塗りつぶしで使 われる、色の記憶場所です。ここではそれは滑らかで "連続的な" カラーや灰 色階調のパレットを意味しますが、それを単にパレットと呼ぶことにします。

カラーパレットは、多角形の色の塗りつぶしと滑らかな色のパレットをサポー トした出力形式を必要とし、それは現在、pm3d で一覧表示される出力形式 で使用可能です。色の値の範囲は、set cbrangeset log cb で独立に 調整可能です。カラーパレット全体は colorbox 中に表示されます。

書式:

     set palette
     set palette {
                { gray | color }
                { gamma <gamma> }
                {   rgbformulae <r>,<g>,<b>
                  | defined { ( <gray1> <color1> {, <grayN> <colorN>}... ) }
                  | file '<filename>' {datafile-modifiers}
                  | functions <R>,<G>,<B>
                }
                { model { RGB | HSV | CMY | YIQ | XYZ } }
                { positive | negative }
                { nops_allcF | ps_allcF }
                { maxcolors <maxcolors> }
              }
     show palette
     show palette palette <n> {{float | int}}
     show palette gradient
     show palette fit2rgbformulae
     show palette rgbformulae
     show palette colornames

set palette は (すなわちオプションなしでは) デフォルトの値を設定しま す。それ以外の場合、オプションは任意の順に与えることができます。 show palette は、現在のパレットの属性を表示します。

show palette gradient は、パレットの勾配 (gradient) の定義が (それが 適切であれば) 表示されます。show palette rgbformulae は、定義済で利 用できる、灰色値からカラーへの変換公式が表示されます。 show palette colornames は実装されている色名を表示します。

show palette palette < n> は、< n> 個の離散的な色を持つパレットの、現 在のパレットの設定によって計算される RGB の値の組とパレットの表を、画 面、または set output で指定されたファイルに書き出します。デフォルト の広い表は、追加のオプション float または int によって、3 列の [0..1] の実数値だけにするか [0..255] の整数値だけにするかをそれぞれ指定できま す。この方法で gnuplot のカラーパレットを、Octave のような他の画像アプ リケーションに渡すことができます。このようなテキスト形式の RGB の一覧 表に加え、test palette コマンドにより、グラフィック的に現在のパレッ トの R,G,B の状態を鑑賞することもできます。

以下のオプションは、色付けの属性を決定します。

このパレットを使用する図は、graycolor になります。例えば、 pm3d カラー曲面では、範囲 [min_z,max_z] が灰色の範囲 [0:1] に対応し ていて、微小曲面四辺形の 4 つの角の z 座標の平均値をこの範囲の中に対応 させることで各微小部分の灰色の値 (gray) が得られます。この値は、灰色階 調の色地図での灰色の値として直接使うことができますし、カラーの色地図で は、その灰色の値から (R,G,B) への変換、すなわち [0:1] から ([0:1],[0:1],[0:1]) への写像が使われます。

基本的に、2 種類の異なる写像方式が利用可能です: 1 つは灰色からカラーへ の解析的な公式、もう一つは離散的な対応表の補間によるものです。 palette rgbformulaepalette functions が解析的な公式用で、 palette definedpalette file が補間表用です。palette rgbformulae は postscript 出力のサイズを小さくすることができます。

コマンド show palette fit2rgbformulae は、現在の set palette に最 も良く対応する set palette rgbformulae を見つけ出します。当然、それ は rgbformulae パレット以外に対しても意味を持ちます。このコマンドは主 に、パレットの rgbformulae 定義が gnuplot と同じ物を使っている外部プロ グラム、例えば zimg などにとって有用です (

http://zimg.sourceforge.nethttp://zimg.sourceforge.net

)。

set palette gray は、灰色階調のみのパレットにし、 set palette rgbformulae, set palette defined, set palette file, set palette functions はカラーパレットにします。灰色パレットから直前 のカラーパレットへ、set palette color で簡単に復帰できます。

set palette gamma < gamma> による自動的なガンマ補正は、灰色のパレット (set palette gray) のみに行われます。灰色階調への線形写像は gamma=1 に相当します (以下参照: test palette (p. [*]))。カラーパレットに対してはガン マ値は無視されます。

ほとんどの出力形式は、有限個の色数しかサポートしていません (例えば gif では 256 個)。デフォルトでは、パレットは、gnuplot のデフォルトの線種の 色の宣言の後に残ったものが全て pm3d 用に割り当てられます。よって、出力 形式が利用できる色の場所がなくなってしまった場合、multiplot は失敗し てしまうでしょう。その場合、set palette maxcolors < maxcolors> で適当 に小さい値を設定すべきです。このオプションは、z=定数の高低を離散個に分 割し、よって等高線の疑似的な塗りつぶしを行うことにも使えます。デフォル トの値は 0 で、これは出力形式のパレットの残りの全てを割り当てる、ある いは正確な RGB への対応を使用することを意味します。

RGB 色空間が作業を行うのに常にもっとも有用な色空間であるとは限らない、 という理由で、色空間は model を使うことで、RGB, HSV, CMY, YIQ, XYZ のいずれかに変更できます。RGB 以外の色空間ではset palette defined の表で色名を使うと、それはおかしな色になります。 全ての説明は RGB 色空間用に書いてありますが、それぞれの色空間で、例え ば RH, C, Y, X のことを意味することに注意してください (G, B も同様)。

全ての色空間で、全ての値は [0,1] に制限されています。

RGB は赤、緑、青を、CMY は水色 (Cyan)、紫 (Magenta)、黄 (Yellow) を、 HSV は色相 (Hue)、彩度 (Saturation)、明度 (Value) をそれぞれ意味します。 YIQ は 全米商業カラーテレビ放送協会 (the U.S. Commercial Color Television Broadcasting) の使ったカラーモデルで、RGB 記録方式を元にし ていますが、白黒テレビに対する後方互換性を持っています。XYZ は CIE ('Commission Internationale de l'Eclairage'; 国際照明委員会) が定義し た色モデルの 3 つの原刺激値です。 色モデルのより詳しい情報については以下を参照してください:

http://www.cs.rit.edu/ñcs/color/glossary.htmhttp://www.cs.rit.edu/~ ncs/color/glossary.htm

および

http://cs.fit.edu/wds/classes/cse5255/cse5255/davis/index.htmlhttp://cs.fit.edu/wds/classes/cse5255/cse5255/davis/index.html



竹野茂治@新潟工科大学
2009年4月5日