12 環境変数 (Environment)

gnuplot は多くのシェル環境変数を認識します。必須のものはありませんが、 使えば便利になるかも知れません。

GNUTERM が定義されている場合、それは使用される出力形式 (terminal) の名 前として使われます。これは gnuplot が起動時に見つけた出力形式に優先 して使用されますが、.gnuplot (またはそれに相当する) スタートアップファ イル (以下参照: start-up (p. [*])) による指定や、当り前のことですが、その後に 明示的に指定した物の方が優先されます。

Unix, AmigaOS, AtariTOS, MS-DOS, OS/2 では、GNUHELP にヘルプファイル (gnuplot.gih) のパス名を定義しておくことができます。

VMS では、論理名 GNUPLOT$HELP を gnuplot のヘルプライブラリの名前と して定義します。gnuplot のヘルプは任意のシステムのヘルプライブラリに 入れることができ、gnuplot の内部からでも外部からでも参照して構いませ ん。

Unix においては、カレントディレクトリに .gnuplot というファイルがない 場合には、HOME に定義されたディレクトリを探します。AmigaOS, AtariTOS, MS-DOS, Windows, OS/2 では GNUPLOT がその役割に使われます。Windows で は、NT 専用の変数 USERPROFILE も参照されます。VMS では SYS$LOGIN です。 help start-up と打ってみてください。

Unix においては、PAGER がヘルプメッセージの出力用のフィルタとして使わ れます。

Unix, AtariTOS, AmigaOS では、SHELL が shell コマンドの際に使われま す。MS-DOS, OS/2 では COMSPEC が shell コマンドの際に使われます。

MS-DOS で BGI または Watcom インターフェースが使われている場合、PCTRM が、使用するモニタがサポートする最大解像度を指示するのに使われます。 PCTM は S< 最大水平解像度> のように指定します。例えば、モニタの最大解像 度が 800x600 ならば、以下のように指定します:

     set PCTRM=S800

PCTRM が設定されていなければ、標準的な VGA (640x480) が使われます。

FIT_SCRIPT は、当てはめ (fit) が中断されたときに実行する gnuplot コ マンドの指定に使われます。以下参照: fit (p. [*])。FIT_LOG は当てはめによるロ グファイルのデフォルトのファイル名の指定に使われます。

GNUPLOT_LIB は、データやコマンドファイルの検索ディレクトリを追加定義す るのに使われます。その変数は、一つのディレクトリ名かまたは複数のディレ クトリ名を書くことができますが、ディレクトリの区切りはプラットホーム毎 に違います。例えば Unix では ':' で、DOS,Windows,OS/2,Amiga では ';' です。GNUPLOT_LIB の値は変数 loadpath に追加されますが、それは savesave set コマンドでは保存されません。

出力ドライバの中には gd ライブラリ経由で TrueType フォントを扱えるもの もいくつかあります。これらのドライバのフォント検索パスは、環境変数 GDFONTPATH で制御できます。さらに、それらのドライバでのデフォルトのフ ォントは環境変数 GNUPLOT_DEFAULT_GDFONT で制御できます。

postscript 出力ドライバは自分で持っているフォント検索パスを使いますが、 それは環境変数 GNUPLOT_FONTPATH で制御できます。書式は GNUPLOT_LIB と 同じです。GNUPLOT_FONTPATH の値は変数 fontpath に追加されますが、そ れは savesave set コマンドでは保存されません。

PostScript ドライバは、外部 (組み込まれていない) 定義ファイルを使うた めに環境変数 GNUPLOT_PS_DIR を利用します。インストール時の作業により、 gnuplot にはそれらのファイルのコピーが組み込まれているか、または単にそ れらのファイルのあるデフォルトのパスが埋め込まれるかが変わります。カス タマイズした定義ファイルで PostScript 出力をテストする場合はこの環境変 数を使ってください。以下参照: postscript prologue (p. [*])

竹野茂治@新潟工科大学
2008年9月29日