34.5 範囲 (ranges)

オプションの範囲は、表示されるグラフの領域範囲を指定します。

書式:

     [{<dummy-var>=}{{<最小値>}:{<最大値>}}]
     [{{<最小値>}:{<最大値>}}]

最初の範囲指定は独立変数の範囲 (xrange またはパラメトリックモードで は trange) で、2 番目のものは従属変数の範囲 yrange (パラメトリック モードでは xrange) となります。< dummy-var> には独立変数の新しい別名を 指定します (デフォルトの変数名は set dummy で変更できます)。< 最小値> , < 最大値> には定数式、あるいは * を書くことができます。

パラメトリックモードでなければ、与えられるべき範囲指定は xrange, yrange の順になります。

パラメトリックモードでは、plot コマンドに対してはその順序は trange, xrange, yrange になります。以下の plot コマンドは、trange を[-pi:pi], xrange を [-1.3:1.3], yrange を [-1:1] に設定する例です。


     plot [-pi:pi] [-1.3:1.3] [-1:1] sin(t),t**2

x2 の範囲と y2 の範囲はここでは指定できないことに注意してください。 それには set x2rangeset y2range が使われます。

範囲は適切なモードに対して、上に示した順序で解釈されます。必要な範囲 指定が一度全て指定されると、再び指定し直すことはありませんが、必要ない 部分を全く指定しないようにはできません - その代わりそこに空の範囲指定 [] を置きます。

* は、最小値や最大値に自動範囲指定 (autoscale) の機能を使うことを 可能にします。以下も参照: set autoscale (p. [*])

plotsplot のコマンド行で指定された範囲はそのグラフにのみ影響を 及ぼします。よって、その後のグラフのデフォルトの範囲を変更するには、 set xrangeset yrange を使用してください。

時間データに対しては、範囲はクォートで囲んで指定する必要があります (データファイルに現われる時間データと同じ形式の)。gnuplot はその 範囲を読みこむのに時間書式文字列 (timefmt) を使用します。詳しくは 以下参照: set timefmt (p. [*])

例:

以下は現在の範囲を使用します:

     plot cos(x)

以下は x の範囲のみの指定です:

     plot [-10:30] sin(pi*x)/(pi*x)

以下は上と同じですが、仮変数として t を使います:

     plot [t = -10 :30]  sin(pi*t)/(pi*t)

以下は x と y の両方の範囲の指定です:

     plot [-pi:pi] [-3:3]  tan(x), 1/x

以下は、y の範囲のみの指定で、両方の軸の自動範囲指定機能を無効にします:

     plot [ ] [-2:sin(5)*-8] sin(x)**besj0(x)

以下は x の最大値と y の最小値のみの指定です。

     plot [:200] [-pi:]  exp(sin(x))

以下は x の範囲を時系列データとして指定しています:

     set timefmt "%d/%m/%y %H:%M"
     plot ["1/6/93 12:00":"5/6/93 12:00"] 'timedata.dat'

竹野茂治@新潟工科大学
2008年9月29日