50.24 Gif

書式:

     set terminal gif 
                      {tiny | small | medium | large | giant}
                      {{no}transparent} {{no}enhanced}
                      {font <face> {<pointsize>}}
                      {animate {delay <time>} {{no}optimize}}
                      {size <x>,<y>} {{no}crop}
                      {<color0> <color1> <color2> ...}

GIF 画像は libgd によって生成されますが、オプションで libfreetype を使 って TrueType フォントを使うこともできます。

GIF の描画を、ImageMagick パッケージのプログラム 'display' を使って、 出力をパイプに渡すことで以下のようにうまく見ることができます:

              set term gif
              set output '| display gif:-'

連続する plot コマンドの出力は、display のウィンドウで対話的に < space> を打つことで見てください。その中から特定の一つをディスクに保存するには display ウィンドウ上でマウス左ボタンをクリックして save を選択してく ださい。 gd library によって次の 5 つの基本フォントが直接サポートされています: tiny (5x8 ピクセル), small (6x12 ピクセル), medium, (7x13 Bold), large (8x16), giant (9x15 ピクセル)。これらのフォントは大きさを変 更したり回転したり (純粋に水平か垂直な文字列しか使えません) することは できません。

transparent はドライバに透明化 (transparent) GIF を生成するよう指示 します。この場合最初の指定色が透明化される色になります。デフォルトでは notransparent です。

enhanced は拡張テキスト処理機能 (上付き文字、下付き文字、および複数 のフォントの利用) を有効にします。詳細は enhanced を参照してください。 PNG/GIF 出力ドライバは、それ自身拡張処理モードの命令をすべてサポート していますが、これらの機能のうちいくつかは、それが使用している libgd イブラリのバージョンやどのようなフォントが利用可能になっているかに依存 します。

もし gnuplot が使用するローカルの gd ライブラリが TrueType フォントと Adobe Type 1 フォントをサポートするように構築されている場合、オプション font < face> {< pointsize> } でそれを選択できます。< face> は、そのフォ ントファイルのフルパス名かフォントフェース名 (font face name) ですが、 後者は、環境変数 GDFONTPATH で指示されるディレクトリ中のファイル名の先 頭部分であると見なされるものです。よって、'set term gif font "Face"' は、< あるディレクトリ> /Face.ttf か < あるディレクトリ> /Face.pfa を探そ うとします。TrueType も Adobe Type 1 フォントも自由に大きさを変更でき ますし、任意の角度で回転できます。 フォントを指定しなかった場合、gnuplot はより良いデフォルトフォントを見 つけるために環境変数 GNUPLOT_DEFAULT_GDFONT を参照します。

オプション animate はあなたの手元にある gd ライブラリがアニメーショ ン gif の作成をサポートする場合にのみ有効です。作成される画像の表示間 隔は、1/100 秒単位で指定できます (デフォルトは 5)。ただし実際の表示間 隔は、使用する表示ソフトによって変化します。 アニメーション画像列は、次の set outputset term コマンドによっ て終了します。オプション optimize は、アニメーションに関する 2 つの 効果を持ちます。

1) アニメーション全体を通じて単一のカラーマップが使用されます。これは アニメーションの全てのフレームで使用される全ての色が最初のフレームで 定義されている必要があります。

2) 可能ならば、個々のフレームで一つ前のフレームと違う部分のみがアニメ ーションファイルに保存されます。これはファイルサイズを小さくしてくれ ますが、透明化機能を使用している場合には働かないかもしれません。

これら両方の最適化はより小さいサイズの出力ファイルを作ろうとするもの ですが、多分その減少量は、長いアニメーションかまたはフレームサイズが とても小さな場合にのみ意味がある程度でしょう。 オプション nooptimize はこれらの効果をいずれも無効にします。各フレ ームは、個々のカラーマップ (プライベートカラーマップ) を使い、丸ごと 保存されていきます。一つ注意しておきますが、最適化されていないアニメ ーションファイルは外部ユーティリティを使って後処理することができます し、その後処理によって gnuplot の最適化よりも小さなファイルが作られ るかもしれません。 デフォルトでは nooptimize です。

サイズ < x,y> はピクセル単位で与えます。デフォルトは 640x480 です。ピク セル数は set size コマンドで縮尺することでも変更できます。 crop は完成した描画グラフの端の空白領域を取り除いて、結果として画像 サイズを小さくします。デフォルトは nocrop です。

個々の色は 'xrrggbb' の形式で指定します。ここで、x はそのまま文字 'x' を意味し、'rrggbb' は赤、緑、青の 16 進数での成分です。例えば 'x00ff00' は緑を表します。背景色を最初に指定し、その後ろに境界色、X 軸と Y 軸の 色、グラフの描画色、と続きます。色数は最大 256 色まで設定できます。

例:

     set terminal gif medium size 640,480 \
                      xffffff x000000 x404040 \
                      xff0000 xffa500 x66cdaa xcdb5cd \
                      xadd8e6 x0000ff xdda0dd x9500d3    # デフォルト

この例では透明化されない背景色が白で、境界は黒、軸は灰色、そして描画色 として赤、橙色、青緑色 (midium aquamarine)、アザミ色 (thistle 3)、明青 色 (light blue)、青、かきつばた色 (plum)、暗いすみれ色 (dark violet) の 8 色を使います。


     set terminal gif font 'arial' 14 size 800,600

これは、環境変数 GDFONTPATH で指定されたディレクトリにある 'arial' と いう名前で 14pt のフォントサイズの TrueType フォントを検索します。

竹野茂治@新潟工科大学
2007年8月27日