43.54 Object

このコマンドはその後の 2 次元描画すべてに表われる単一のオブジェクトを 定義します。オブジェクトはいくつでも定義できます。オブジェクトの型は、 現在は rectangle (長方形) のみをサポートしています。 個々の長方形は、対角に向かい合う 2 つの頂点の組を定める点の組で指定し ます。デフォルトのスタイルの属性の組 (塗り潰し、色、境界) は、コマンド set style rectangle の設定を受け継ぎますが、個々の長方形を別々のスタ イル属性で描画することももちろん可能です。

書式:

   set object <index> rectangle
       {from <position> {to|rto} <position> |
        center <position> size <w>,<h> |
        at <position> size <w>,<h>}
       {front|back|behind} {fc|fillcolor <colorspec>} {fs <fillstyle>}
       {default} {lw|linewidth <width>}

長方形の位置は、対角に向かい合う 2 つの頂点 (左下と右上) の位置、ある いは中心点の位置と横幅 (< w> ) と縦幅 (< h> ) で指定できます。いずれの場合 も、点の位置は、軸の座標 (first, second)、グラフ領域内の相対座標 (graph)、またはスクリーン座標 (screen) のいずれかを使用できます (coordinates 参照)。オプション atcenter は同じ意味です。

front を指定すると、長方形はすべての描画要素の前 (上) に描画されます が、front と指定されたラベルよりは後ろ (下) になります。back を指 定するとすべての描画要素、すべてのラベルの後ろに配置されます。behind は軸や back の長方形を含むすべてのものの後ろに配置されます。これは、 グラフやページ全体の背景に色をつけるのに利用できます。

長方形の塗り潰しの色は < colorspec> で指定します。fillcolorfc と省略できます。塗り潰しパターンは < fillstyle> で指定します。詳細は colorspecfillstyle を参照してください。キーワード default を 指定すると、これらの属性は描画が実際に行われるときのデフォルトの設定を 受け継ぎます。set style rectangle 参照。

例:

   # 座標軸で囲まれた領域全体の背景を水色に
   set object 1 rect from graph 0, graph 0 to graph 1, graph 1 back
   set object 1 rect fc rgb "cyan" fillstyle solid 1.0


   # 左下角が 0,0, 右上角が 2,3 の赤い四角を一つ置く
   set object 2 rect from 0,0 to 2,3 fc lt 1


   # 青い境界の空 (塗り潰さない) 長方形を置く
   set object 3 rect from 0,0 to 2,3 fs empty border 3


   # 頂点は移動しないまま、塗り潰しと色をデフォルトに変更
   set object 2 rect default

竹野茂治@新潟工科大学
2007年3月4日