6 最後に

本稿では、$n^k$ の和の公式に関する考察を紹介した。 通常とは違い、代数的な方法ではなく、 差分方程式の積分による解法を紹介した。

実際には、この和の公式はベルヌーイ数で表現できることが 知られており ([2])、 本稿の手法は、そちらの観点からはあまり意味がないかもしれないが、 初等的な手法しか用いていないので、 高校生でも理解できる内容だと思う。

個人的には、指数 $k$ が偶数か奇数かで和の式を求める難易度や、 $F_n$, $G_n$ の漸化式の簡便さもだいぶ変わってしまうことが 興味深く感じる。 それは、もしかしたら指数 $k$ を一般の実数、あるいは複素数に 拡張してその和を $k$ の関数と考えた場合に その $k$ に関する性質として見えてくるかもしれないが、 専門分野ではないのでそのあたりは全くわからない。

竹野茂治@新潟工科大学
2020-03-16