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2.1 収束の定義と基本性質
無限級数 (1) が 収束する とは、
項までの和
|
(2) |
が
のときに収束すること、と定義される。
収束しない場合、発散する という。例えば、
は、
なので収束しない。
命題 1
が収束するならば
証明
() なので、
仮定より
のとき
となるので、
この命題 1 の逆、すなわち
であったとしても
が収束するとは限らない。
例えば、
|
(3) |
は、
だが、
この級数 (3) は に発散する。それは、
となるからである。しかし、少なくとも
ならば
が発散することは言える。
収束級数に対しては、容易に次も言える (証明は省略)。
命題 2
,
が収束する級数であるとき、
-
も収束し、
- 任意の定数 に対して
も収束し、
- すべての に対して
であれば
また級数は、いくつかの項をまとめて考えても
収束、発散は変わらないことが言える。
命題 3
に対して、
を 個ずつまとめた項からなる数列 を
とし、その和を
とすると、
であれば、
の収束、発散と、 の収束、発散とは一致し、
となる。
証明
簡単のため、 として証明する。
, の部分和をそれぞれ , と
書くことにすると、
であり、よって、
ならば
となる。
逆に、
のとき、
となるので、
となる。
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竹野茂治@新潟工科大学
2006年9月26日