小テストのアンケートの意見に対する回答 (2005 年 前期)


はじめに

アンケートの意見に対する回答をこちらにまとめておきます。 なお、好意的な意見に対する回答、および回答が不要と思われる その他の意見に関する回答は省略します。

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(Iic: 基礎数理 I (情報・物質)、 Ima: 基礎数理 I (機械・建築)、 III: 基礎数理 III (情報・物質))

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不満、要望


進度が速い

(基礎数理 I (情報・物質)、基礎数理 I (機械・建築)、基礎数理 III (情報・物質))

「大学の講義について」 にも書きましたが、 大学の講義は講義の内容が多いので、 高校などよりも進度は速いのです。 これでも以前の講義よりは進度を落していますし、 かなり限界に来ていると思いますので、逆にこの程度のスピードには ついて来て欲しいと思います。

それに速く進んでいるように感じるかも知れませんが、 深い内容を紹介しているわけではありませんので 分量はそう多くはありません。

それでも速いと思うなら、教科書は与えてありますし、 講義もほぼ教科書通りに進めているだけですから、 講義のペースに惑わされずに自分のペースで勉強したらいかがでしょうか。 元々大学の勉強というのはそういう物だと思います。
(06/12 2005)

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板書や説明が速い

(基礎数理 III (情報・物質))

以前の講義よりは板書量を減らしていますし、 講義中に教科書に書いてあることはノートを取らなくても良い、 と指示しています。 かなり限界に来ていると思いますので、 逆にこの程度のスピードにはついて来て欲しいと思います。 だらだら講義を受けるのでなく、一所懸命ノートを取ってください。

書き写すだけになる、というのはある程度しかたないと思います。 「大学の講義について」 にも書きましたが、 大学の講義は内容が多く講義中に全部を理解することは難しいでしょうから、 講義内容はとりあえずノートに取っておいて自分で勉強するための助けとする、 という形が正しい勉強方法だと思います。

個々で勉強のペースというのは違うのですから、自分のペースで勉強する、 講義はその自分の勉強を助ける場である、と考えるのがいいのではないでしょうか。 高校までの、人に教えられて分かる、というような受動的な勉強方法から脱却し、 自分で必要と思うことを勉強し、自分で本から理解する、 という能動的な勉強方法に変えて行くことも大学で学ぶべきことの一つです。
(06/12 2005)

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難しい

(基礎数理 I (情報・物質)、基礎数理 I (機械・建築)、基礎数理 III (情報・物質))

基礎数理 I が難しい、という場合は、 多分大学の講義に慣れていないためにそう感じるのではないかと思います。 「大学の講義について」 にも書きましたが、 大学の講義は講義内容が多いので、 基礎数理に限らず講義時間にすべて理解するのは難しいのです。 だから、講義内容はとりあえずノートに取っておいて 自分で勉強するための助けとする、という形が正しい勉強方法だと思います。 高校の授業とは違いますので、早く大学の講義の形に慣れるべきだと思います。 また、新しい話が多く出てきますので、難しく感じるかもしれませんが、 実際にはそんなに深くはやっていませんので、 それほど難しくはないと思います。 宿題や例題を自分でちゃんとこなせば、それほど難しいものでもないと思います。

基礎数理 III が難しい、という場合は、 基礎数理 III は基礎数理 I の続きですが、 基礎数理 III では基礎数理 I のようなクラス分けを行なわないため 確かに難しいと感じる人は多いかも知れません。 基礎数理 III がクラス分けされず、ある程度難しい講義であるのは、

という理由によります。 このような講義について来れるよう頑張って勉強してください。 難しいと感じるのは多分理解するのに不足している知識があるからだと思います。 不足しているところがあれば、自分で補ってください。

また、大学の講義は確かに難しいかもしれませんが、 逆に考えれば難しいからわざわざ勉強する価値があるのだろうと思います。 難しくなければ大学に来なくても勉強できるでしょう。 その難しいものをクリアして、それを身につけ、 自分を少しずつパワーアップさせて行くんだと考えたらどうでしょうか。 そうすればむしろ難しい講義ほど必要だ、と考えることもできるでしょう。
(06/12 2005)

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声が聞こえない

(基礎数理 I (情報・物質))

一応大きな声を出しているつもりですが、 私は皆さんにまっすぐに向かって話すことが少なく、 黒板に向かいながら、あるいは横や下を向きながら 話したりすることが多いのでそうなるのだと思いますが、どうでしょうか。

マイクを使うとそれはまたそれで聞きにくいこともありますから、 聞きにくければなるべく前に座ってください。 前の方の席はまだ十分空いてますよ。
(06/13 2005)

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数字が見えにくいときがある

(基礎数理 I (機械・建築))

すみません、なるべく気をつけたいと思いますが、 あなたが見えにくければ、多分他の人も見えにくいと思いますので、 もし見えにくい字があったらその場で指摘してください。
(06/13 2005)

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黒板の下まで書かないで

(基礎数理 III (情報・物質))

私は、見えやすいように教卓をどけて板書しているので、 つい下も見えるだろうと思ってしまっていました。 なるべく下には書かないようにしたいと思います。 また、もし見えにくかったらその場で指摘してください。
(06/13 2005)

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宿題の解答のプリントが見にくい

(基礎数理 I (情報・物質))

板書しているのと同じ私の字で書いているのでそれは仕方がないでしょう。 だから板書程度には読めているはずですから、それで我慢してください。 ちゃんとワープロで書け、というならそれは甘えすぎです。
(06/13 2005)

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解答のプリントに教科書の該当場所を書いて欲しい

(基礎数理 III (情報・物質))

今年の宿題には通し番号をつけています。それで理解してください。 それ以上は甘えすぎです。
(06/13 2005)

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できれば教科書と同じ記号を使って欲しい

(基礎数理 I (機械・建築))

あえて教科書と同じ記号を使っていない場合は、 理由あってそうしているわけで、 なぜ使っていないか説明をしているはずですからそれで理解してください。 もし説明がないようならば質問してください。
(06/13 2005)

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高校に比べて数学の時間数が少ない

(基礎数理 I (機械・建築))

私も数学の時間数が少ないと思います。

今高校では数学が選択化されて授業時間も高校によって色々だと思いますが、 理系だと週 4,5 時間くらいはやるのではないでしょうか。 大学の講義は高校の授業 2 回分くらいですから、大学の講義で言えば 週 2 つくらいはやっていることになります。 実際、多くの大学の工学部で 1 年生は週 2 回くらい数学をやっています。 ただし、それは同じ科目を週 2 回やるのではなく 通常は 2 科目をやっているようですから 少し違う話になると思います。

前にも言いましたが、 大学の単位の計算は講義と同じくらい勉強することを前提としています。 だから、自分でそういう勉強をすれば 一応高校と同じ時間くらいになる勘定にはなりますね。

ただし、うちの大学では数学は週 1 科目ですし、全体として少ないのですが、 それは、

という理由によります。 よって、例えば数学が足りない、 と感じる学科は独自に学科内の専門科目として数学の講義を入れているようです。 または、基礎数理 I を「基礎数理及び演習 I」のように 演習付き科目とすれば週 2 回とできるのかもしれませんが、 今のところそれは担当者不足の問題もあり難しいと思います。

ちなみに私がいた大学 (の理学部数学科) では、 1 年生の基礎数理 I (に相当する科目) には演習の時間が別についていましたし、 さらに、それ以外に 4 年生が ボランティアでその科目の面倒を見る、 という慣習がありました。 それに相当することができるといいのかもしれませんが、 うちでは難しいかもしれません (数学科出身者は高校の教員になるものが多く、 よって教育に関心が高かった学生が そういうボランティアをしていたのだと思いますが、 うちは工学部ですからそういう学生は少なそうです)。

よってもっと数学が必要だと感じたら、 とりあえず自分でどんどん勉強してみてください。 そもそも大学というのはそういう場です。
(06/13 2005)

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たまに数学のクイズをやってみたい

(基礎数理 I (機械・建築))

私はあまりそういうのを知っているわけではありませんし、 それにそういうのを出すと講義の内容よりもそちらばかりが頭に残る、 ということになりかねませんので、 ちょっとそれはやりづらいです。

ちなみに、「算チャレ」みたいなもの、と書かれていたのですが、 「算チャレ」という言葉自体を知らないのでインターネットで検索してみたら 「算数にチャレンジ」(中学入試問題のようなもの ?) なるものが 色々あるようですね。 自分で検索してやってみてはいかがでしょうか。
(06/13 2005)

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なぜあの点数で C クラスなのかわからない

(基礎数理 I (機械・建築))

確かに絶対的な点数はそう高くないかもしれませんが、 相対的な順位はかなり上の方でした。 それに、基礎数理 I のクラス分けでは 例えばベクトルの点数はほとんど評価していません。 むしろ、基本的な式の計算や三角関数や指数、対数のできなどを重要視しています。 これくらいなら C クラスについてこれるだろう、 という判断で C クラスになっています。

過去に C クラスの学生に関して、 クラス分けテストの結果と基礎数理 I の成績の相関を 統計的に調べてみたことがありますが、 あまり相関はありませんでした (相関係数の値は 0.5 以下)。 これは、クラス分け試験の結果が良かった学生が 基礎数理 I の成績が良くなるとは言えず、 クラス分け試験の結果が悪かった学生が 基礎数理 I の成績が悪くなるとは言えない、ということを意味しています。

すなわち、たとえ C クラスの学生でも 大学に入って分かる努力をしなかった学生は分からなくなるし、 クラス分けの成績が低くても分かる努力をすれば分かるようになる、 という当り前のことを意味しています。 よって、 クラス分けテストがこれくらいの成績であれば、 分かるための基礎はあるわけですから、 講義内容が分からないとすれば、 それは分かるための努力をしなかった結果によるものだと判断できます。

では「分かる」ためにはどうしたら良いか、ということですが、 それも講義の一番最初の時間に既に回答を与えてありますよね。

それに、基礎数理 III はこの C クラスの基礎数理 I の続きとして 講義が行われますし、 C クラスでは他のクラスではしないような話 (テイラー展開等) もやりますので、 そういうことを学べるチャンスだと考えたらいかがでしょうか。
(06/13 2005)

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極限の理解が浅いので復習の講義を

(基礎数理 I (機械・建築))

確かに極限のところは少し分かりにくいかもしれませんが、 理論の説明では出てきますが そんなに具体的な計算などに使うものでもないと思いますので、 まあだいたいそんなものだということがわかればいいと思います。 よって復習の講義、というものはやりませんが、 不定形の極限は微分の応用としてもう一度出てきますので、 そのときにでも自分で復習してみてください。
(06/13 2005)

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講義室が狭い

(基礎数理 III (情報・物質))

現在の講義室より広い部屋は S1-大講義室しかなく その部屋はすでに他の講義で使っていますし、 それに S1-大講義室は私のような板書を多く行う講義には残念ながら向いていません。 しかし、現在実際に講義に出席しているのは 70 名程度ですから、 全然狭くはないと思います。
(06/13 2005)

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公式の証明をして欲しい

(基礎数理 III (情報・物質))

通常大学の数学の講義というのは、 教科書を見てもわかると思いますが、 講義中の問題演習はあまりやらず、 むしろ公式の証明ばかりやるのが普通です。

しかし、公式の証明をやっても計算問題ができるようになるわけではなく、 工学部では公式がなぜ成り立つのか、 ということよりも公式を使えるようになる方が大事なことが多いと思いますので、 証明は省略することが多いです。 現在の講義の進め方だと、ここにさらに証明を入れることは難しいので、 証明は今後もあまりやらないでいきたいと思います。

証明が気になる場合は、教科書、あるいは他の数学の本に ちゃんと証明が書かれていると思いますから、 それを読んでみてください。
(06/13 2005)

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演習をやって欲しい

(基礎数理 III (情報・物質))

既に宿題をかなり課していますから、あれが演習に相当すると思います。 自分で宿題をやればいいわけですよね。 ちゃんと解答まで配布しています。

それとも演習問題を解いたことを点数に評価して欲しいということでしょうか。 それならそれをテストで発揮すればいいだけですね。 ちゃんと解いたなら必ず発揮されるでしょう。
(06/13 2005)

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出席を取れ

(基礎数理 III (情報・物質))

個人的な意見ですが、 大学の講義は、本来講義の内容を理解できているか否かを評価すべきで、 真面目に出席しているかどうかが評価の基準ではないと考えています。 大学は実力を身につけるところであって、内申書のようなものはありません。 真面目に出席しても点数が取れなければ不合格ですし、 講義に出なくても点数が取れるなら合格となるでしょう。 講義は講義を聞きたい人が出てくればいいのだと思っています。

出席を取ることで、講義を聞きたくない人まで来るようにするのは、 講義に聞きに来ている人も、講義を行なっている人も迷惑になるでしょう。 それが本来の大学の講義の姿だろうと思います。 よって選択科目は出席を取りません。

講義環境も、道徳的な観念よりも、勉強できる環境を優先しています。 例えば、講義中に私語をするものに対しては、

「学生というものは、真面目に講義に出て、静かに座って聞かなければならない」 と考えて、静かにしなさい、と注意する
のではなく、
「私語をするものは講義を聞くもの、講義をするものの邪魔である」から 講義室から出て行け
と言っていますし、講義中に寝ているものは、 それが講義の邪魔にならないならいっこうに構いません。
(06/13 2005)

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ちゃんと例題をやれ

(基礎数理 III (情報・物質))

必要以上にやっているつもりですが、これ以上問題の解説をしろ、 ということなら、 これ以上やると講義が全く進まなくなりますから これくらいが限界だと感じています。

飛ばしている例題があるということなら、 それは重要ではない、 あるいは講義の流れに合わない、という理由で飛ばしているものもあります。 そもそも例題はちゃんと式変形も書かれているわけですから、 講義にばかり頼らずに自分で読んでみたらいかがでしょうか。 主体的な学習法を身につけてください。
(06/13 2005)

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例題をもっとやって欲しい

(基礎数理 III (情報・物質))

必要以上にやっているつもりですが、 これ以上問題の解説をすると講義が全く進まなくなりますから これくらいが限界だと感じています。
(06/13 2005)

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クラスを分けて欲しい

(基礎数理 III (情報・物質))

以下にあげるようないくつの理由で、 基礎数理 III 以降はクラス分けをしていません。

逆にこのような講義について来れるよう頑張って勉強してください。 1 回で取得できなくても、再履修して取得すれば何も問題はありません。 むしろ、大学の「単位制」とはそのような目的のためにあるのです。
(06/13 2005)

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式変形にいちいち説明をつけて欲しい

(基礎数理 III (情報・物質))

小学生ではないのですから甘えすぎです。 むしろ、自分で行間を読む努力をしてください。 学術書には必ず行間があります。それを読む訓練も必要です。
(06/13 2005)

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肯定的意見


宿題のプリントを配ってもらうのがありがたい

(基礎数理 III (情報・物質))

これまでアンケートでもっと問題を、という声が高かったので、 その点の改善策として今年から、 基礎数理 I, III で宿題を今までよりもかなり増やして、 解答をプリントで配布する、ということをやってみたのですが、 逆にこのような意見が 1 名だけだったのは寂しいですね。 しかも、今までのようにもっと問題をという意見もなぜかありましたし、 あまり意味はないということでしょうか。 とするとこれは今回限りにするかもしれません。
(06/13 2005)

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その他の意見


学生証を忘れてすみません

(基礎数理 I (情報・物質))

別に私が迷惑を受けたわけではありませんし、 私があなたの責任を取ったわけでもありませんから、 謝る必要は全くありません。 単に学生証を忘れると試験が受けられなくなる、というだけです。

学生証を忘れるのはあなたの行為ですし、 それに責任を取るのも私ではなくあなた自身です。 次回から試験の際には学生証を持ってきてください。 忘れた場合は学務課へ行って仮受験票を作ってもらわなければ 試験は受けさせません。
(06/13 2005)

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質問


≧, ≦ の等号の書き方は、 水平でも斜めでもどちらの書き方でもいいのか

(基礎数理 I (機械・建築))

どちらでも結構です。 ちなみに私の書き方は斜めの線は 2 本ではなくて、1 本だけです。
(06/13 2005)

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部分積分や置換積分のところで、 = の下に「部」とか「置」とか書くのは正式な書き方なのか

(基礎数理 III (情報・物質))

いいえ。 単に説明のために書いているだけです。
(06/13 2005)

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作成日: 06/28 2011
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)