しかし、「全微分可能性」は、1 変数の微分可能性に対応する 多変数関数の「微分可能性」を示すものであるし、 講義では説明しないが接平面の存在を保証したり、 合成関数の微分の公式にも関係するものでもあるから、 それなりに重要な概念であり、 可能であれば工学部の学生も知っておいた方がいいものだと思う。 そこで、本稿ではこの「全微分可能性」とその周辺の話題について いくつか取り上げる。
また、「複素関数論」で出てくる複素関数の複素微分可能性も、 この全微分可能性と深い関係がある。 本稿ではそれについても解説する。
竹野茂治@新潟工科大学