4 合成関数の偏微分

(6) は $y,z$ の恒等式なので、$y$, $z$ で両辺を 偏微分しても等号のままである (そこが「方程式」とは違う性質)。

よって、(6) の両辺をまず $y$ で偏微分する。 左辺は $(z)_y=0$ より 0 となるが、 右辺の微分に、(3) の合成関数の微分の公式を用いると、

  $\displaystyle
0 = \frac{\partial }{\partial y}f(g(y,z),y)
= \frac{\partial f}...
...rtial x}\,\frac{\partial g}{\partial y} + \frac{\partial f}{\partial y}\times 1$ (10)
が得られる。ここで (4) より

$\displaystyle 0 = P\,\frac{\partial g}{\partial y} + Q
$

となり、これで (5) の 2 本目の式が得られることになる。

同様に、(6) の両辺を $z$ で偏微分すれば、

  $\displaystyle
1 = \frac{\partial }{\partial z}f(g(y,z),y)
= \frac{\partial f}...
...tial y}\times 0
= \frac{\partial f}{\partial x}\,\frac{\partial g}{\partial z}$ (11)
となり、(4) より

$\displaystyle 1 = P\,\frac{\partial g}{\partial z}
$

となるので、これで (5) の 1 本目が得られることになる。

竹野茂治@新潟工科大学
2020-06-04