2 変数でも、極大値 よりも大きい値 がある場合、 平面上で から に向かう 任意の滑らかな道に沿って考えれば、 それに沿っては の値は一旦下がってから上がらないといけないので、 やはりその折り返し点では関数のグラフの傾きは 0 になるのであるが、 それはこの道に沿う方向の傾きが 0 になるだけで、 平面のどの方向にも傾きが 0 (そのような点が停留点) であることは意味せず、 よってそこからは 1 変数のような矛盾は得られない。
つまり、そのような折り返し点での別方向の傾きが 0 にならないように を作れれば、それが問題 1 の反例となりうる。 そして実際に、2 変数関数の場合は、 そのような反例を構成することができることを以下に紹介する。
まず
今、, を、
なので、 すべての に対して、 方向には は で極大 (極大値 ) で、 で極小 (極小値 ) となり、 それ以外では 方向の傾きは 0 とはならない。 また、 方向には、 上では だから でのみ傾きが 0 で、そこで極大となり、 上では だから に関して単調増加なので 傾きが 0 となる点はない。
よって の停留点は しかなく、 そこで極大となる。 しかし、例えば では、 より
なお、 が極大であることは、
竹野茂治@新潟工科大学