113.122 軸範囲指定 (xrange)

コマンド set xrange は表示される水平方向の範囲を指定します。他の軸 にも同様のコマンドが存在しますし、極座標での動径 r, 媒介変数 t, u, v にも存在します。

書式:


     set xrange [{{<min>}:{<max>}}] {{no}reverse} {{no}extend}
                | restore
     show xrange

ここで <min><max> は定数、数式、または '*' で、'*' は自動縮尺機能 を意味します。日時データの場合、範囲は set timefmt の書式に従った文 字列を引用符で囲む必要があります。<min><max> を省略した場合は、現 在の値を変更しません。自動縮尺機能に関する詳細は下に述べます。以下も 参照: noextend (113.3.1)

yrange, zrange, x2range, y2range, cbrange, rrange, trange, urange, vrange は同じ書式を使用します。

x と x2 軸、あるいは y と y2 軸の範囲をリンクするオプションについては 以下参照: set link (113.42)

オプション reverse は、自動縮尺の軸の方向を逆にします。例えば、デー タ値の範囲が 10 から 100 であるとき、これは、set xrange [100:10] とし たのと同じように自動縮尺します。reverse は、自動縮尺ではない軸に対し ては機能しません。

自動縮尺機能: <min> (同様のことが <max> にも適用されます) がアスタリス ク "*" の場合は自動縮尺機能がオンになります。その場合のその値に、下限 <lb>、または上限 <ub>、またはその両方の制限を与えられます。書式は以下 の通りです。


     { <lb> < } * { < <ub> }

例えば


     0 < * < 200

<lb> = 0, <ub> = 200 となります。そのような設定では、<min> は自動縮 尺されますが、その最終的な値は 0 から 200 の間になります (記号は '<' ですが両端の値も含みます)。下限か上限を指定しない場合は、その '<' も省 略できます。<ub><lb> より小さい場合は、制限はオフになり、完全な自 動縮尺になります。 この機能は、自動縮尺だけれども範囲に制限がある測定データの描画や、外れ 値のクリッピング、またはデータがそれほどの範囲を必要としていなくても最 小の描画範囲を保証するのに有用でしょう。

コマンド set xrange restore は、現在の範囲の最小値、最大値を、直近の 自動縮尺操作で得た値で上書きします。

2 次元描画において、xrangeyrange は軸の範囲を決定し、trange は、媒介変数モードの媒介変数の範囲、あるいは極座標モードの角度の範囲を 決定します。同様に 3 次元媒介変数モードでは、xrange, yrange, zrange が軸の範囲を管理し、urangeyrange が媒介変数の範囲を管理します。

極座標モードでは、rrange は描画される動径の範囲を決定します。<rmin> は動径への追加の定数として作用し、一方 <rmax> は動径を切り捨てる (clip) ように作用し、<rmax> を越えた動径に対する点は描画されません。xrangeyrange は影響されます。これらの範囲は、グラフが r(t)-rmin のグラ フで、目盛りの見出しにはそれぞれ rmin を加えたようなものであるかのよう にセットされます。

全ての範囲は部分的に、または全体的に自動縮尺されますが、データの描画で なければ、パラメータ変数の自動縮尺機能は意味がないでしょう。

範囲は plot のコマンドライン上でも指定できます。コマンドライン上で与 えられた範囲は単にその plot コマンドでだけ使われ、set コマンドで設 定された範囲はその後の描画で、コマンドラインで範囲を指定していないもの 全てで使われます。これは splot も同じです。


Subsections
竹野茂治@新潟工科大学
2024-12-02