77.3.9 Using

最もよく使われるデータファイルの修飾子は using で、これは入力ファイ ルのどの行を描画するのかを指示します。

書式:

     plot 'file' using <entry> {:<entry> {:<entry> ...}} {'format'}

format を指定すると、それを C ライブラリ関数 'scanf' に適用してデータ ファイルの各行を読みます。そうでなければ、各行はホワイトスペース (スペ ースやタブ) で区切られたデータの列 (フィールド) からなるとみなしますが 以下も参照: datafile separator (87.19.4)

< entry> は、入力ファイルの一つのフィールドを選択するための単なる列 の番号か、一つのデータ集合の最初の行の列のラベルに一致する文字列、カッ コで囲まれた数式、xticlabels(2) のようにカッコで囲まない特別な関数、の いずれかです。

そのエントリがカッコで囲まれた数式の場合、N 列目の値を指定するのに関数 column(N) を使用できます。つまり、column(1) は読み込まれた最初の項目を 参照し、column(2) は次の項目、といった具合です。column(1), column(2), ... の略記として、特別な記号 $1, $2, ... を使用できます。関数 valid(N) で、N 番目の列が有効な数字であるかどうかテストできます。 入力ファイルの最初の行の各列に、データの値ではなくラベルを持っている場 合、このラベルを入力列の特定や plot タイトルに使用できます。関数 column() は、列番号以外にラベルで入力列を選択できます。例えば、データ ファイルが以下のような場合:

     Height    Weight    Age
     val1      val1      val1
     ...       ...       ...

以下の plot コマンドは同じ意味になります:
     plot 'datafile' using 3:1, '' using 3:2
     plot 'datafile' using (column("Age")):(column(1)), \
                  '' using (column("Age")):(column(2))
     plot 'datafile' using "Age":"Height", '' using "Age":"Weight"

指定文字列が完全に一致する必要がありますし、大文字小文字も区別します。 列のラベルを plot タイトルに使うには、set key autotitle columnhead としてください。

入力データファイルの 1...N という実際の列に加えて、gnuplot は管理情報 を持ついくつかの "疑似列" を提供します。例えば、$0 または column(0) は、 データ集合内のそのデータ行の行番号を返します。以下参照:pseudocolumns (77.3.9.2)

< entry> に何も書かなければ、そのエントリのリストの順にデフォルトの値が 使われます。例えば using ::4 は、using 1:2:4 と解釈されます。

using にただ一つのエントリを指定した場合は、その < entry> は y の値と して使われ、データ点の番号 (疑似列 $0) が x として使われます。例えば "plot 'file' using 1""plot 'file' using 0:1" と同じ意味です。 using に 2 つのエントリを与えた場合、それらは x, y として使われます。 さらにエントリを追加して、入力からのデータを利用するような描画スタイル の詳細については、以下参照: set style (87.72), fit (68)

'scanf' 関数では色々なデータ形式の数値入力が使えますが、gnuplot は全 ての入力データを倍精度浮動小数とみなしますから、gnuplot では %lf が本質的に唯一の数値入力指定、ということになります。 書式文字列には、少なくとも一つ、そして 7 つ以下の、そのような入力指定子を入れる必要があります。 'scanf' は数と数の間にホワイトスペース、すなわち空白、タブ (" \ t")、改行 (" \ n")、または改ページ (" \ f") があると期待します。それ以外の入力は明示的にスキップされるべきです。

" \ t", " \ n", " \ f" を使うときは単一引用符よりむしろ二重引用符を使うべき であることに注意してください。


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竹野茂治@新潟工科大学
2015年1月5日